今月の星空案内(2025年4月)

 浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。

天文台からのコメント:冬には、「宵の明星」として、夕方に西の空で見られた金星は、3月21日に内合(ないごう)となり、今は明け方に東の空に見られます。「明けの明星」です。日本では金星を「宵の明星」「明けの明星」として古くから親しんでいました。ひときわ明るい金星が27日に最大光度になります。一番明るい恒星であるシリウスは-1.5等ですが、金星の最大光度は-4.8等です。夜明け前の金星を楽しみませんか。
(文:浜松市天文台)
浜松市天文台のWebサイト

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4月の星空案内

2025年4月 上旬:22時ごろ 中旬:21時ごろ 下旬:20時ごろ

 一番大きな星座を知っていますか?それは、うみへび座です。東西になが~~く伸びた星座なので、頭からしっぽの先まで出てくるまでに7時間程度かかります。今の時期だと、14時ごろ東の空から頭が出てきます(ただし、昼間なので星は見えません)。そのまま西に向かってにょろにょろと伸びていきます。そして夜21時ごろ、ようやくしっぽの先が出てきます。暗い星が多く、星をつないで姿を作るのは難しいです。見つけやすいのはうみへびの胸元にある2等星「アルファルド」でしょうか。周りに明るい星がないことから、「孤独なもの」を意味する名前がついています。「孤独」とはいいますが、決してひとりぼっちではありません。街の中からは見えないだけで、周りにはたくさんの星があって、つながっていくと大きな星座になりますからね。
 4月、新しい環境に身を移す方も多いでしょうか。一人新しい場所で寂しさを感じて眠れない夜は、星を眺めてみてくださいね。朝焼けで空が染まるころには、寂しさも忘れていることでしょう。

コップ座

コップ座の星座絵。左右両方に取っ手がついていて、器の下には台座もついている。マグカップやグラスというより、西洋の豪華なカップのような見た目。

 コップ座は春に見られる星座で、からす座と一緒に、うみへび座の背中に乗っているように描かれています。コップ座を構成する星は、どれも4等星以下と暗いため、探す時には隣で輝くからす座を目安にするとよいでしょう。からす座は、北斗七星からのびる春の大曲線をたどって見つけてみてください。
 このコップ座のコップは、みなさんが普段使うコップとは少々形が違っていますね。コップ座は古い星座で、ラテン語ではクラーテル。両側に取っ手のついた大きな杯の形をしています。コップ座には、酒の神ディオニソス、音楽の神アポロン、英雄ヘラクレス、英雄アキレス、王女メディアの杯など、たくさんの物語が伝えられています。ここではコップ座にまつわる物語を2つ紹介します。
 昔、アテネの王イカリオスのもとに、酒の神ディオニソスが滞在したことがありました。ぶどう酒の作り方を広めるためです。イカリオスはディオニソスから教えられた酒のすばらしさを村人に広めようと、たくさん酒をつくって振る舞いました。ところが、「酒を飲んだのが始めて」という人々ばかりでした。最初は喜んでいた村人も、しだいにお酒がまわって酔っ払います。これを「毒をもられた」と勘違いした村人たちはイカリオス王を殺してしまったのです。それを知ったディオニソスは悲しみ、イカリオス王の思い出にと王に与えた杯を星座に上げたとのことです。
 もう1つの物語は、コップ座のすぐとなりにあるからす座と共に語られます。アポロンにつかえていたカラス(からす座)のお話です。アポロンに水くみのお使いを命じられたカラスは、寄り道をしたために帰るのが遅くなってしまいました。遅刻を怒られたくないカラスは、うそをつきましたが見破られてしまいます。アポロンは見せしめとしてカラスを天に上げ、コップにぎりぎり届かない(つまり水が飲めない)場所に星座をつくったそうです。コップ座とからす座の位置関係が絶妙です。

<参考> 全天星座百科(藤井旭;河出書房新社)/星座神話ガイドブック(沼澤茂美、脇屋奈々代;誠文堂新光社)/星と星座の伝説 春(瀬川昌男;小峰書店)

あこがれのみなみじゅうじ座

 みなみじゅうじ座を見たことはありますか?私はまだ見たことがありません。通称、南十字、南十字星、サザンクロスと呼ばれ、日本のほとんどの地域からは見ることができないことから、あこがれの星座の一つとされています。みなみじゅうじ座はその名の通り、南の空に輝く十字型の星座です。88個ある星座の中で最も小さい星座ですが、明るい星でできているため、存在感は大きく見つけやすいです。また大航海時代、ヨーロッパから南へ旅をする船乗りたちにとって、方角を知る目印となりました。きっと彼らは空の十字架に旅の安全を祈ったことでしょう。
 みなみじゅうじ座は南に行くほど空高く見えます。みなみじゅうじ座の見ごろは、1月から6月にかけてです。特に、4、5月は多くの人が起きている時間帯(~22時頃)に空高くのぼるため、見つけやすくなります。この時期、南半球の国に行ってみたいものですね。なお、北半球が春の時、南半球は秋になります。紅葉が進み、少しずつ寒くなってくる頃、南天の十字架を探してみませんか?とはいえ、すぐに南半球の国を訪れるのは大変です。世界中の星空を映し出すことができるプラネタリウムで星旅(ほしたび)を楽しみましょう。プラネタリウム番組「春の星旅 南半球の星空へ」は4月19日から始まります。みなみじゅうじ座もしっかり見られますよ。

ヨーロッパ南天文台が撮影したみなみじゅうじ座周りの星空の写真

浜松科学館で投映中の番組

  • まわる星と、かわる季節
    プラネタリウム
    【!4/13まで!】「まわる星と、かわる季節」
  • プラネタリウム
    【!4/19から!】「春の星旅 南半球の星空へ」
  • キッズプラネタリウム
    「きらきら☆こんやのおほしさま~はるのほし~」
  • ティラノサウルス

    大型映像
    「ティラノサウルス」
  • ヒーリングアース

    大型映像
    「ヒーリングアース inJAPAN」
  • 【月1回・大人限定】夜の科学館 特別投映「おまつり魂は宙(そら)高く」

    【月1回・大人限定】
    夜の科学館 特別投映
    「おまつり魂は宙(そら)高く」

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