天文台からのコメント:8月は、夏休み。私は誕生日が8月なので、子供のころ8月が大好きでした。大人になって、いい歳になっても8月は楽しみです。星空が夏の思い出になるのもいいですね。こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブが作る「夏の大三角」が頭の真上付近に見えます。街明かりが少なく夜空が鮮やかな地域では、天の川を見たいですよね。はくちょう座が飛んでいる方向をよく見ていただくと、淡い雲のような天の川が南北に横切っています。天の川は、私たちが住む太陽系-地球の所属する星の大集団「銀河」です。
(文:浜松市天文台)
浜松市天文台のWebサイト
8月の星空案内 夏の星空と星座
2024年8月 上旬:22時ごろ 中旬:21時ごろ 下旬:20時ごろ
8月になり、暑さも厳しくなってきました。暑さが和らぐ夜には屋外に出て星空を見上げてみませんか?夏の星座たちが出迎えてくれますよ。
空の高いところには夏の大三角が見えます。頭の真上あたりを通るのがこと座のベガ。織姫星です。やや南よりに輝くのがわし座のアルタイル。彦星です。8月10日は、旧暦で数えると7月7日、七夕にあたります。7月に続いて、今一度織姫と彦星の逢瀬を眺めてみましょう。
8月12日~14日ごろにかけて、ペルセウス座流星群の活動が活発になります。特に12日の深夜から13日の未明ごろ、流れ星が多く見られそうです。浜松市天文台では、12日の夜、凧場公園でペルセウス座流星群観望会を行います。一緒に流れ星を探してみませんか?詳しくは浜松市天文台の浜松市天文台のWebサイトをご参照ください。
ときに、パリオリンピックが開幕しましたね。8月下旬からはパラリンピックも開幕します。パリと日本の時差は7時間ありますから、テレビで観戦していたらいつの間にか真夜中…なんてこともあるでしょう。そんな真夜中には惑星がいくつか見えてきます。みずがめ座のあたりに土星、おうし座のあたりには火星や木星も姿を現します。オリンピック観戦中の休憩に、惑星探しはいかがでしょうか。
いるか座
<参考> 全天星座百科(藤井旭;河出書房新社)/星座神話ガイドブック(沼澤茂美、脇屋奈々代;誠文堂新光社)
4年に1度の「アツい夏」
今年の夏は4年に1度のスポーツの祭典、オリンピックが開催されます。毎回世界中の人々を熱狂させるオリンピックですが、そもそもどのようにして始まったのでしょうか。オリンピックの起源は、紀元前9世紀ごろまで遡ります。古代ギリシャでは様々な神を祭る祭事がいくつか行われていましたが、もっとも大きいものが「オリンピア祭典競技」でした。のちに古代オリンピックと呼ばれるものです。このオリンピア祭典競技で祀られている神というのが、星座の話でもおなじみの全能の神ゼウスです。ゼウスとその妻ヘラの神託を聞くことができる神域「オリンピア」で、強い体や意思、そしてエネルギーをゼウスに奉納するために始まったのがスポーツの祭典であり、これがオリンピックの起こりだとされています。今でこそ多くの競技が行われるオリンピックですが、古代オリンピックではゼウスの足裏600歩分(約191m)を走る、1競技のみだったそうです。そこから少しずつ競技が増え、長い時を経て現代のオリンピックになっていきました。さて、今年のオリンピックの開催地はパリです。日本とは7時間の時差がありますから、競技によっては夜更かしをして観戦される方もいらっしゃるのではないでしょうか。8月に入ると午前1時あたりから東の空に木星が顔を出してきます。ローマ神話ではゼウスはジュピター、木星にあたるということで、オリンピック観戦のおともに星空を見ながら、2800年前の人々に思いをはせるのはいかがでしょうか。