11月に入りましたが、まだ暖かさを感じる日もありますね。
色とりどりの紅葉が楽しめる季節になりました。
11月の星空案内をお届けします。
11月の星空案内:秋の四辺形をたよりに星座を探そう
2021年11月 上旬:21時ごろ 中旬:20時ごろ 下旬:19時ごろ
惑星の位置は中旬ごろを目安にしています
秋の星空の目印「秋の四辺形」が南の空高く昇っています。秋の四辺形をたよりに、ペガスス座、アンドロメダ座と見つけてみましょう。南の低い空に目を移すと、みなみのうお座の一等星「フォーマルハウト」が輝いています。西の空には夏の大三角や木星、土星が沈んでいこうとしています。また、東の空には冬を代表するオリオン座が顔を出し始めています。星空の変化で季節の移ろいを感じてみてはいかがでしょうか。
今月の星座:うお座
(文:浜松科学館 天文チーム)
星座の呼び方 ペガサス?ペガスス?
秋の夜空の目印でもあるペガスス座。それを形づくる星の並びは「秋の四辺形」と呼ばれていて、ペガスス座はわからなくても、秋の四辺形なら聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
ペガスス座のモチーフとなっているのは、ギリシャ神話にも登場するペガサスです。背中に羽のある馬の姿をしており、天馬とも言われます。現代においても絵画や彫刻などの芸術作品、あるいはゲーム等のなかで目にする機会があり、私たちにも馴染みがありますよね。
星座の名称になると「ペガスス座」と言葉が少し変わるのはどうしてでしょうか。これは1928年に国際的に定められた星座の名称(天文学の分野での学名)として、ラテン語が用いられているからです。似ているのは、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスの星座であるヘルクレス座。やはり少し音が変わります。
しかし、日本では全ての星座をラテン語読みしているわけではありません。例えば、ラテン語でレオ(Leo)という名称の星座を、私たちは「しし座」と呼んでいます。国際的に星座
の名称が決まってからおよそ20年後、1944年に学術研究会議という機関によって日本での呼び方が定められたためです。その内容が広まり、図鑑やプラネタリウムで広く使われるようになりました。
つまり、私たちが日ごろ耳にする星座の名称は、ラテン語による国際的な呼び方をそのまま用いているものと、日本語に置き換えた呼び方のものが混在していたのですね。この星空案内の過去のコラムでは、各地の方言として様々な星座の呼び方があることもご紹介してきました。少し大げさに言えば、星座の呼び方には国や地域の文化がにじみ出ているのかもしれませんね。
何卒ご了承ください。