新緑が映える季節になりました。
5月はどんな星空が見えるでしょうか。
5月の星空案内 春(の星座)爛漫!
2021年5月 上旬:22時ごろ 中旬:21時ごろ 下旬:20時ごろ
惑星の位置は中旬ごろを目安にしています
この時期の星空は、春の星座が満開です。
北の空に輝くおおぐま座の一部である北斗七星から、うしかい座の一等星アルクトゥルス、おとめ座の一等星スピカまでを結ぶ線が「春の大曲線」。しし座の二等星デネボラと、アルクトゥルス、スピカを結んで「春の大三角」。暑くもなく寒くもなく過ごしやすい気温のこの時期、ゆっくりと星空を眺めてみてはいかがでしょうか。
今月の星座:かみのけ座
ある時、夫であるプトレマイオス3世が戦争へと赴いた際に、ベレニケは「夫を無事に返してくれたら、私の髪の毛を愛と美の女神アフロディテに捧げます」と祈りました。その後、夫は勝利とともに帰還し、ベレニケは約束通り髪の毛を切って神殿に捧げました。その髪の毛が、星となって輝くようになったということです。
月食は不吉?
2021年5月26日(水)に、日本で皆既月食を観察できます。
月食は、太陽と地球と月の3つの天体が、その順番で一直線に並んだときに起こる現象です。地上で影ができるのと同じように、地球が太陽に照らされると、太陽とは反対方向に影が伸びます。その地球の影の中に月が入り込むのが月食で、月の一部分が入り込むのを「部分月食」、月全体が入り込むのを「皆既月食」と呼んでいます。
今でこそ月食の仕組みはよく知られていますが、それがまだ解明されていなかった時代には、どのように見られていたのでしょうか。例えば、北欧の神話で、ハティという名のオオカミが月を攻撃するせいで暗くなってしまうというものがあります。似た話では、ジャガーが月を攻撃したので血のような赤色になるという古代インカの言い伝えが知られています。他にも、悪魔ラーフが月に噛みついたというインドの神話、月が病気になったと考えていた北米の先住民、などの例のように、様々な文化圏でとても不吉な出来事として扱われてきました。
日本には、古い時代から「月食」ではなく「月蝕」と記述する文献があります。文字通り、月が蝕(むしば)まれていくような、不気味で恐ろしい現象として見られていたようです。
確かに、何の知識もない状態で月が突然赤黒く変わってしまったら「この世の終わりだ!」「不吉なことが起こる予兆だ!」と不安になってしまうかもしれません。
しかし、現代人の私たちにとっては、恐るるに足らず。むしろ、めずらしい天体ショーとして楽しみたいですね。