15分で自然観察:珪藻が描く幾何学模様を観察しよう

皆さん、こんにちは。
浜松科学館の生き物博士、小粥です。

2月11日(土)に15分で自然観察「珪藻が描く幾何学模様を観察しよう!」を開催しました。

珪藻は1つの細胞で生きる藻類の仲間。
藻類とは、葉緑体をもつ生き物の中で陸上の植物を除いたその他大勢を指します。
世界で約2万種が知られ、海や川、湖などを中心に生息し、陸上の植物や動物に付着して生活する種もいます。
知名度が高いとは言えませんが、とても多様で、どこにでもいる生き物なのですね。

珪藻の身体は2枚のガラス質(珪酸質)で覆われ、葉緑体をガラスのお弁当箱で保管するような形で成り立っています。
海や湖で珪藻が大量に発生した場合、その時代の地層にはたくさんの珪藻が含まれます。
ご家庭に「珪藻土マット」という石のようなバスマットがある方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの地層から採れた珪藻の化石で作られているんですよ。

今回開催したイベントでは、事前に筆者が天竜川の石から採集した珪藻や他の藻類の集まりを、パイプユニッシュで洗浄して、生物顕微鏡で拡大観察しました。
パイプユニッシュはアルカリ性で、珪藻内の葉緑体や他の藻類などを溶かし、珪藻のガラス質のみを綺麗に残してくれるのです。

参加者の皆さんと顕微鏡をのぞいてみると…

おぉ!すごい!
色んな形の珪藻たちがたくさんいます!

わっ!と広がる見たこともない多様な世界。
子供たちは小さな身体で、慣れない顕微鏡を抱え込むようにして見入っていました。

少し落ち着いてきたら、それぞれの珪藻の形に注目してみます。
大きく分けると、上の絵の様に6種類に分類できました。
それぞれの形の中にも、何種もの珪藻がいることでしょう。

配布資料でどの形の珪藻が見つかったかチェックしていきます。

目にする機会は少ないけれど、実はたくさんいる珪藻。
身近な環境にも私たちの知らない多様な世界が存在していることを実感した15分でした。


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