暦の上では春を迎える2月。
まだまだ寒い日が続きますが、少しずつあたたかな兆しが感じられて趣があります。
今月はどんな星空が見えるでしょうか?
2月の星空案内 冬のダイヤモンド
2021年2月 上旬:21時ごろ 中旬:20時ごろ 下旬:19時ごろ
夜空いっぱいに冬の星座が見える時期です。
3つの一等星を結んでできる「冬の大三角」に加えて、「冬のダイヤモンド」と呼ばれる星の並びがあります。オリオン座のリゲル、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウス、これら6つの一等星を結んでできる大きな6角形が冬のダイヤモンドです。
たくさんの一等星を一度にまとめて見ることができる、この時期ならではの星の並びです。ぜひ本物の空で探してみてください。
今月の星座:ほ座 とも座 りゅうこつ座 らしんばん座
昔、「アルゴ座」という大型船の姿をした星座がありました。現在は、ほ座、とも座、りゅうこつ座、らしんばん座の4つに分けられています。
アルゴ船は、ギリシャのイオルコスという町の王子イアソンが金色の羊毛を持つ羊を探す冒険に出るために作られた船で、50人もの勇士たちが乗船しました。その中にはギリシャで一番の勇者と言われるヘラクレス、ふたご座として知られる兄カストルと弟ポルックス、たて琴の名手オルフェウスなど名立たる英雄たちもいて、たくさんの活躍をしたと言われています。
まだまだがんばる!はやぶさ2
昨年12月に、小惑星リュウグウのサンプルが入ったカプセルを見事に地球へと送り届けてくれた小惑星探査機「はやぶさ2」。カプセルの中には、予想を上回る量のリュウグウのかけらが入っていたことで、大きな話題となりました。はやぶさ2本体は、現在も宇宙で頑張っています。別の小惑星を調べるために新たな冒険に挑戦しているのです。科学館のミュージアムショップでは、はやぶさ2の関連グッズを販売中。
大偉業を成し遂げたはやぶさ2の記念に、おひとついかがですか?
星の終わり「超新星」
宇宙では「超新星」と呼ばれる現象が起こります。名前だけ聞くと、新しい星が誕生したのかな?とも思えますが、実際はその真逆。星が寿命を迎えて最後に見せる姿のことを言います。太陽のように自ら光を放つ星を「恒星」と呼びます。星座を形作る星も恒星です。恒星の燃料となるのは主に水素で、その燃料を使い果たしてしまうと恒星の圧力と重力のバランスが崩れていきます。そのうちに自らの重力でつぶれて恒星の中心部が崩壊。その反動で恒星全体が大爆発を起こします。この大爆発の様子を地球から見ると、まるで新しい星が誕生したかのような明るい光が空に突然見え始めることから「超新星」と名付けられました。
この超新星は爆発して終わりではありません。爆発した際に星の元となる材料をまき散らしたり、衝撃波によって周りの星間ガスを収縮させて新しい星を生み出すきっかけを作ったりします。さらに、まき散らすのは星の材料だけではなく、炭素や窒素など私たち生き物の元になる材料も含まれています。私たちは超新星によって生み出された「宇宙人」といえるのかもしれません。
さて、プラネタリウムで投映中の生解説番組「家康公が見た星空」では、地上から見た超新星のシミュレーションもご覧いただけます。投映期間は3月19日まで。