皆さん、こんにちは。
浜松科学館の生き物博士、小粥です。
先日、野外イベント「おそとDEけんびきょう」を開催しました。
普段触ることのない双眼実態顕微鏡を、思う存分使うことが出来る魅力的な催しです。
観察したい材料の持ち込みはもちろんOKですが、科学館側でもあるものをご用意しました。
それは「クマゼミの抜け殻」!
イベントの前日に、科学館のサイエンスパークでたっぷりと採集しました。
これだけの数が集まるとなかなか壮観です!
クマゼミは、本州では関東以西に生息していますが、北へ向けて分布を拡大しています。
浜松市内でもクマゼミの個体数は年々増加しており、抜け殻を集めて遊んだことがあるお
子さんも多いと思います。
そんなセミの抜け殻を顕微鏡で観察すると、今まで気付かなかった発見があります。
前脚は、中脚、後脚と比べてとても大きいです。
これは土の中で生活する時に、穴を掘るのに役立ちます。
頭部に着目すると、口(口吻)はストローのような形をしています。
幼虫は土の中の根っこに、成虫は枝に口吻を刺して樹の汁を吸います。
この様な堅いストロー型の口はカメムシ目の特徴、つまりセミはカメムシの仲間なのです。
生き物の細部を観察することで、その生き物の生態や、分類など様々なことを推察、同定
することが出来ます。
次回の「おそとDEけんびきょう」は9月26日(土)、27日(日)に開催予定です。
観察したい試料を持ってお越しくださいね♪