今回から、その月に見える星空や星座について、このブログを通してご紹介してゆきたいと思います。
ぜひ実際に夜空を眺めて見つけてみてくださいね。
夏の大三角がよく見えます
8月の空には、たくさんの夏の星座が見えています。夏の大三角を作る3つの一等星のうち、こと座のベガは「織り姫星」、わし座のアルタイルは「彦星」としても有名です。南の空低い位置に見えている木星と土星は、実際の空でもかなり明るく目立っています。惑星はそれぞれの速さで太陽の周りを回っているので、毎年見える時期や位置が変わります。今年の木星と土星は比較的見やすい時間、見やすい位置にあるうえに、きれいに並んだ状態で楽しむことができます。
今月の星座:いるか座
夏の大三角のすぐ近くに、4つの暗い星をつないでできる小さなひし形の星の並びがあります。そこに輝くのが「いるか座」です。
今回は、このいるか座にまつわる神話をご紹介します。
たて琴の名手アリオンは、ある時シチリア島で行われた音楽コンクールに出場し、見事に優勝します。たくさんの賞金を持って帰りの船に乗り込んだアリオンでしたが、船が沖に出たとたんに船員たちが襲い掛かってきたのです。船員たちはアリオンに剣を向け「賞金を置いて、海に飛び込め!」と脅します。アリオンは「どうか最後に歌わせてほしい。」とたて琴を手に取ると、海に向かって歌いだしました。すると、アリオンの美しい歌に引き寄せられて、イルカたちが船の周りに集まってきました。
歌い終わったアリオンがいさぎよく海に身を投げると、1頭の大きなイルカがアリオンを背中に助け上げ、そのままアリオンの故郷であるコリントスまで送り届けてくれたのです。この様子を見ていた神々が、イルカを星座として輝くようにしたと伝えられています。
(文:浜松科学館 天文チーム)
浜松科学館で投映中の番組
正体は誰だ?謎のキャラクターたち。
科学館オリジナル生解説番組「GALAXY TOURS」。
ポスターにも登場している4人の人物はいったい誰でしょう?ス〇ーウォーズの戦士たちかと思いきや、手にかまえているのは剣ではなくて、矢印 。
彼らの正体は、プラネタリウムの解説員なのです。かまえている矢印は、解説のときに星を指すポインター。誰がどのキャラクターか、本物の解説員とぜひ見比べてみてください。
ウミガメと中田島砂丘
浜松科学館プラネタリウムでは、大型映像番組「タートルオデッセイ」を投映しています。アオウミガメのバンジィが、大海原をたくましく生き抜いていく姿を追ったドキュメンタリーです。ハラハラドキドキの大冒険と、美しい海中の実写映像がドームいっぱいに広がります。
ウミガメといえば、浜松市の中田島砂丘。
ここには毎年のようにアカウミガメが産卵のために訪れます。アカウミガメは絶滅危惧種。卵は大切に保護されて、8月中旬以降には赤ちゃんカメの放流会が行われることもあります。ウミガメの産卵は基本的に夜の間に行われます。
夜の中田島砂丘では、きれいな星空を楽しむこともできます。
星の光をかき消してしまうような街明かりが少ないので、暗い星まで見ることができるはず。条件が良ければ、天の川も見えるかもしれません。満天の星の下、もしウミガメに出会ったら、大声を出したり懐中電灯で照らしたりしてはいけません。距離をとって、そっと見守ってあげましょう。