浜松科学館の広報誌「COMPASS」。
第11号の表紙は、リニューアルしたプラネタリウム投映機器と、その横に立つ雨森さんです。
プラネタリウムにお越しくださる方々は、やはり星空の美しさへの興味をお持ちだと思います。
私たちは、何か壮大なものや美しいものを眺めたときに、思わず声を漏らしてしまいますが、その場面の一つは満天の星に包まれた瞬間かもしれません。
新しいプラネタリウムの見どころは、満天の星のリアリティです。それを具現化できたのには理由があります。注目すべきは映し出せる星の数です。その数、なんと約1億個。それだけの数がありつつも星空全体が明るくなるわけではなく、むしろ奥行きが感じられます。開発者の培った技術の賜物です。
天文スタッフの1人は、「ドームが広く感じる」と話していました。星空を最大限に楽しんでいただくために、投映のやり方も工夫をしています。星々から届く“かすかな光”をしっかり捉えてもらうためには、私たちの目にも準備が必要です。
当館のプラネタリウムの投映では、日の入りのあと、まず周囲が明るい街なかの夜空を再現して、そのなかで星座を探します。そこから街明かりを落として、山間部のような環境をつくり、さらに解説を進めていくという構成になっています。
明るい場所から暗い場所に移ったあと、目がその暗さに慣れるまでの時間を十分にとることで、街明かりのない満天の星が一層印象深く感じられると考えているからです。見える星の数が少ない状態(明るい街なかを想定した夜空)でも星座解説をするのは、実際の空で星を見つけてもらいたいという想いも込めています。日ごろ眺めている夜空と、街明かりのない満天の星とを見比べて、その違いも感じてもらえたら嬉しいです。
リニューアル記念番組「星がキラめく街 浜松」では、新しい投映機の性能を生かし、星の瞬きをテーマにしました。浜松の風土との関わりにもご注目ください。
当館の特長であるライブ解説を担うのは、雨森さんをはじめとする天文チームのスタッフです。
「プラネタリウムを楽しんでほしい」という想いで、来館者の皆さんの視点に寄り添った星空解説を目指しています。満天の星の下で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。