梅雨明けもまもなくですね。夏の夜に、空を眺めてみてはいかがでしょうか。
7月の星空案内をお届けします。
7月の星空案内 春の星座は見納め時期
2021年7月 上旬:22時ごろ 中旬:21時ごろ 下旬:20時ごろ
惑星の位置は中旬ごろを目安にしています
日が長くなって、19時を過ぎてもまだ空が明るいですね。空が暗くなって星が見やすくなる時間帯には、春の星座はすでに西の空低い位置に傾いています。春の星座を見るのなら、この時期が今年最後のチャンスになるでしょう。
東の空からは、夏の星座が続々と顔を出し始めます。こと座の一等星ベガ、わし座の一等星アルタイル、はくちょう座の一等星デネブを結んでできる三角形が「夏の大三角」です。
今月の星座 おおかみ座・ケンタウルス座
おおかみ座は、もともとはケンタウルス座の一部として見られていた説があります。はっきりとした神話はなく、アルカディアのリュカオン王が神様に嘘をついたために罰としてオオカミに変えられた姿である、またはケンタウルスが神様に捧げた動物であるなどといったお話があります。
彦星と織姫星
7月7日は七夕です。ときどき、彦星と織姫星は七夕の日にしか見られないと思っている方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。むしろ、七夕を過ぎてからの時期のほうが、見やすい時間帯に夜空の高いところでその2つの星が輝いていて、見ごろとなります。彦星はわし座の一等星アルタイル、織姫星はこと座の一等星ベガのことを指しています。古代アラビアでは、 アルタイルは翼を広げた鷲の姿、ベガは翼をすぼめて急降下する鷲の姿になぞらえていました。アルタイルには「飛ぶ鷲」、ベガには「落ちる鷲」という意味があります。 はくちょう座の一等星デネブを加えた「夏の大三角」を形づくる星としても有名です。明るくて見つけやすい星なので、ぜひ夜空を見上げてみてくださいね。
七夕の行事は、中国から伝わった牽牛星(彦星)と織女星(織姫星)の伝説と、日本古来の「棚機つ女(たなばたつめ)」の伝説が合わさって定着したものです。短冊に願い事を書いて笹に飾るのが一般的となったのは、江戸時代以降だと言われています。
牽牛星と織女星のお話にはいくつかのバリエーションがあり、2人の身分や家族構成、どうして離れ離れになったのか?など、細かい部分に違いが見られます。
彦星も織姫も天の国の住人で、2人が結婚した途端に怠け者になってしまい、天帝が怒って、天の川の両岸に別れて暮らすよう命じたという話。地上に住む人間の彦星と、天女の織姫が結婚し、あるとき天に帰った織姫を彦星が追いかけて天の国へ行き、そこの住人になるための試験に失敗した結果、湧き出た天の川に流されて離れ離れになったという話。ほかにも、織姫を追いかける方法や、天の川誕生の由来など、内容が少しずつ異なる話が伝わっています。このことからも、多くの人々が長い間、七夕の行事に親しみ、彦星と織姫星の伝説を語り継いできたことがわかります。皆さんのお気に入りのお話を探してみては?