暖かな日が増えはじめて、のどかな景色が見られるようになりましたね。
3月はどんな星空が見えるでしょうか。
3月の星空案内 冬から春の星空へ
2021年3月 上旬:21時ごろ 中旬:20時ごろ 下旬:19時ごろ
冬の星座たちがだんだんと西へ傾き始めています。とは言え、明るい星が多いので傾いてもなお目立っています。冬の星座の見ごろはまだまだ続きます。
東寄りの空には、春の星座が見え始めています。しし座の一等星レグルスは、全天で21個ある一等星の中で一番暗い一等星。少し控え目な輝きではありますが、他の春の一等星がまだ空の低い位置にある今が見ごろと言えるかもしれません。
今月の星座:いっかくじゅう座
比較的新しい星座で、1624年にドイツのバルチウスが設定した星座と伝えられています。
中世ヨーロッパの物語などに登場する空想上の生き物で、額の中央から一本の角が生えた馬の姿をしています。伝説によると、その角にはあらゆる病気を治す力がありましたが、美しい姿とは裏腹に大変な暴れ馬で捕まえるのは難しかったそうです。
月のクレーターと地形の名前
私たちにとって、とても身近な天体「月」。月を天体望遠鏡で眺めてみると、表面がデコボコしていることがわかり、山や谷などの地形を見てとれます。それらは主に、小天体が衝突してできたクレーターと、月の火山活動によって形成された起伏によるものです。月の地形にはそれぞれ名前がついています。有名なものですと「静かの海」という場所があります。アポロ 11 号の着陸船が降り立った場所です。「海」といっても、地球のような海があるわけではなく、クレーターの窪みの中に溶岩がたまり、それが冷えて固まった部分。つまり、地上から月を見たときに、ウサギの模様のように見える黒っぽい部分が「海」と呼ばれています。
月の黒い部分を「海」、白い部分を「陸」とおおやけに呼び始めたのは16世紀頃で、ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーが最初だとされています。その後、1645 年にベルギーの天文学者ラングレヌスが月の地形に初めて名前をつけました。現在は、国際天文学連合(IAU)が天体の地形の名前を定めていて、その際には様々な決まり事があります。
・小さなクレーターは一般的に使われる名前(ファーストネーム)をつ け、より小さなクレーターは近くの大きなクレーター名にアルファ
ベットを足す。(※サテライトフィーチャーという命名法)
・海、湖、池、沼などは、天気を表す言葉や抽象的な言葉からつける。
…などなど。
月はあまりに身近すぎて見慣れた感じがするかもしれませんが、いろいろな視点から調べてみるときっと新しい楽しみ方が見つかりますよ。
ラングレヌスの月面図から2年後に出版された、ポーランドの天文学者ヘベリウスが描いた月面図