皆さん、こんにちは。
浜松科学館の生き物博士、小粥です。
9月26、27日に今年2回目の「おそとDEけんびきょう」を開催しました。
普段触ることのない双眼実態顕微鏡やデジタルスコープを、思う存分使うことが出来る特別な催しです。
観察したい材料の持ち込みはもちろんOKですが、科学館側でもあるものをご用意しました。
それは「オカダンゴムシ(以下、ダンゴムシ)」です!
催しの当日に、科学館のサイエンスパークでたっぷりと採集しました。
全部で50匹はいるでしょうか。
科学館がリニューアルする以前に自然ゾーンで展示されていたダンゴムシの模型も登場し、再会を懐かしむお客様もいらっしゃいました。
さて、肉眼ではヨチヨチ歩き、くるりと丸まる可愛らしいダンゴムシですが、顕微鏡で観察するとそのイメージが変わります。
つぶらな瞳は、実はたくさんの単眼が集まった複眼です。
丸い背中は、ボコボコと重厚感のある殻で覆われ、防御力が高そうです。
脚は7対、計14本あり、装甲車のように小さなデコボコをものともせず歩くことが出来ます。
ダンゴムシは、昼間は石や倒木の下に隠れ、夜間に出歩き、身の回りの落ち葉を食べます。
積もった落ち葉を粉砕してくれる森の分解者は、防御力重視な体と、駆動性に優れた脚を進化させました。
この様に、生き物の細部を観察することで、体の機能を生態と結び付けて、より深く理解することが出来ます。
虫眼鏡を持ってお散歩するだけで、いつもの道が違った景色に見えるかもしれません。